全日本鹿協会 Japan Deer Society

鹿ニュース(2017年10月20日~11月5日)

【事故】シカとスーパーおおぞら接触 650人に影響/北海道

22日午後6時45分ごろ、JR石勝線トマム―占冠間で、釧路発札幌行きの特急スーパーおおぞら10号がシカと接触し、停止した。乗客約170人にけがはなかった。約1時間後に運転を再開したが、車両の不具合のため占冠―札幌間を部分運休した。(2017/10/23 北海道新聞 より)

 

 

【利用】王道の醤油からエゾシカまで! こだわりにあふれる釧路のラーメン店/北海道

北海道の東部・釧路市にあるラーメン店「麺や北町」は、2011年に開店。工程1つ1つに強いこだわりを持ったラーメンが食べられる。一番人気は「正油ラーメン」(680円)。あっさりしたスープと、細麺の相性は抜群で、つるつるとした麺はスープをよく絡めて、口に運ぶたびダシの風味と醤油の香りが口いっぱいに広がる。次いで人気が高いのが「エゾシカタンタン」(780円)。中心に配置されているのはエゾシカの肉味噌(50g)。甘じょっぱく味付けされたエゾシカの肉味噌は香辛料が効いており、ラー油も相まってラーメンが進む味付け。このエゾシカは、地元釧路でとれたものを使っており、店主は「手軽にエゾシカを食べてほしい」と話した。(2017/10/23 NewsWalker より)

 

 

【利用】ジビエ研修会/宮崎

鳥獣被害をおいしく解決。イノシシや鹿の肉の普及を促し、農作物被害の軽減につなげるためのジビエの調理研修会は23日、宮崎市の宮崎調理製菓専門学校であり、調理師ら約40人が参加した。日本ジビエ振興協会の藤木徳彦理事長が、火を通すと硬くなりがちなジビエを軟らかく調理する方法を伝授。「鹿スライスのソテー・トマトシチュー」など4品を作り上げた。県によると、県内で昨年度捕獲されたイノシシと鹿計約4万7千頭のほとんどは山中に廃棄された。「もったいない」と話す参加者らは、滋味深いジビエとともに中山間地の課題もかみしめた。(2017/10/24 宮崎日日新聞 より)

 

 

【その他】「狩猟エコツアー」今年も開催 鋸南で来月から/千葉

イノシシやシカなど野生獣による農作物被害を防ぐ新たな担い手を確保しようと、鋸南町が今年も11月から「狩猟エコツアー」を実施する。2015年度に始まり、今回で3回目。野生獣による町内の農作物被害は年々増え、昨年度は約3,600万円に上った。一方、駆除に従事する町民の高齢化も進む。担い手不足を解消しようと町は15年度に初めてツアーを企画。昨年度はトレッキング、解体、料理などのプログラムで開催し、千葉市や東京都などから500人を超える応募があった。今回のツアーは四つのプログラムがある。獲物の解体を学ぶ「解体ワークショップ」、イノシシやシカの肉の調理実習「ジビエ料理ワークショップ」、イノシシなどの生態を知り、わな猟を学ぶ「けもの道トレッキング」、侵入防止柵の設置体験を通して農作物被害の対策術を学ぶ「被害対策ワークショップ」。(2017/10/25 朝日新聞 より)

 

 

【利用】エゾシカホエーカツ開発 中標津の新ご当地グルメ 来月3日から提供/北海道

町地域雇用創造協議会は地元食材を活用した新ご当地グルメ「エゾシカホエーカツ」を開発した。同協議会はモニター調査として、11月3~23日の期間限定で「エゾシカホエーカツ」を使ったオリジナルメニューを町内8店舗で提供する。エゾシカホエーカツは、町内や近隣地域で捕れたエゾシカ肉を使用。油で揚げる前、チーズ製造の際に出る副産物ホエー(乳清)に一定時間漬け込んだ。これまで廃棄されていたホエーを有効活用し、地域の新たな特産品を生み出すのと同時に、酪農のまちをPRするのが狙い。ホエーに漬け込むことにより、シカ肉独特の臭みを消し、肉質を柔らかくする効果が期待できる。(2017/10/26 北海道新聞 より)

 

 

【被害・対策】捕獲すれども被害は減らず、間違いだらけの獣害対策

全国で増大する野生鳥獣による農作物被害。実は1980年以前は目立たなかった。21世紀を迎えた頃から爆発的に増え始める。被害額のピークは2010年の239億円。近年は各地で獣害対策に本腰を入れ始め、15年は176億円と漸減傾向にある。ただ、この数字は小規模な被害や家庭菜園など作物が市場に出ないものを含まないことが多い。また林業地の食害や皮剥ぎ被害も表に出づらい。実態は表の数字の5倍という推定もある。獣害が収まらないのは、生息数が増えたからである。環境省によると13年のニホンジカの推定数は約305万頭(推定中央値)。なお北海道のエゾシカは約45万頭(16年)とされる。ニホンジカは23年に453万頭に増えると推測されている。

なぜ、これほど増えているのか。産んでも死亡数が多ければバランスが取れるが、近年下がり気味だ。死亡率の高い冬の間が越しやすくなったからと思われる。温暖化の影響もあるが、餌が豊かになったことが指摘される。戦後荒れていた山林が成熟してきて、森林蓄積はかつてないほど高くなってきた。スギやヒノキの人工林は餌がないと思いがちだが、林間に低木や草が生い茂っている。また過疎化で耕作放棄農地が増えたことや、林道の草が生えた法面もよい餌場となっていた。栄養状態がよくなれば寒い冬も越しやすく、けがや病気にも強くなる。そして出産率も上がる。

野生鳥獣の増加に歯止めをかけるのが狩猟者だろう。狩猟免許所持者数は、1990年が29万人、14年は19.4万人と急減していた。これが問題とする声は強い。しかし、「狩猟免許を取る人は増えました。ただ免許を持っていても、それが獣害対策に結びつくとは限りません」と語るのは、兵庫県丹波市にある株式会社野生鳥獣対策連携センターの上田剛平さん。獣害対策の指導や野生動物管理計画作成に携わるとともに、有害獣駆除を行っている。「有害獣駆除の担い手は猟友会が中心だが、新人を教育する機能がないため腕前に差がある。年間1頭も獲らない人もいる。また猟友会ごとに行動エリアをある程度決めているので、広域に出動するのは難しい。」有害駆除を担う専門のプロが必要ではないかと提案する。防護柵も、個別の農地を囲う柵と集落全体を囲う柵は役割が違う。張り方を誤ると効果が出ないし、柵は破れることもある。また、電気柵は草が伸びて接触すると漏電する。メンテナンスを誰が担うか、受益者と行政の関わり方を整理して実行するのが肝心だという。ともあれ駆除が追いつかない勢いで増加しているのは間違いない。

効果的な獣害対策とはいかなるものだろうか。野生動物の生態から迫るのが、国立研究開発法人農研機構西日本農業研究センターの江口祐輔さん。 「獣害とは、何より農作物被害である。被害額を抑えるべきなのに、生息数を減らすことばかりに眼を向けたのが間違いの元」農地を荒らす個体はある程度決まっているそうだ。農作物という「美味しい餌」を覚えた個体は繰り返しやってくる。まずは動物の生態を知るべき。江口さんは、実際にイノシシを飼育して食性や習性を調べた。 「よく山に餌がないから野生動物は里に下りると言われているが、山に餌があっても美味しい農作物を知ると農地を狙う。とくに気をつけるべきは農業廃棄物」農家は、収入となる農作物を食べられると被害者意識を持つが、収穫物以外に対しては鷹揚だ。これらを食べる獣を追わないと味を覚え、次は農作物そのものを狙うという。

 まず農地に引きつけない「予防」、次に柵による「防護」、そして加害個体の「駆除」と三本立てで臨まないと効果が出ない。

 江口さんは、島根県美郷町と組んで指導して効果を挙げている。大分県でもこの方策を6年前から取り入れて「被害ゼロ集落」を目指し、すでに44の集落を成功に導いた。具体的には、鳥獣害アドバイザーを養成して集落点検の実施、農林業者自らが狩猟免許を取る講習や罠の仕掛け方などの指導、防護柵も効果的な高さや構造で設置して一斉点検日を設ける、などである。被害発生の約5割は防護柵の管理不足だったそうだ。

 野生動物の生態を知り、地域の特性に合わせた対策を地道に積み上げていく。獣害に特効薬はない。

(2017/10/27 WEDGE Infinity より)

 

 

【対策】キリエノキでシカ食害防げ 北薩森林管理署がスギ造林地で試験調査/鹿児島

シカによる樹木の食害を防ぐ効果があるとして、北薩森林管理署(さつま町)は九州南部に自生する常緑低木キリエノキに注目、調査を進めている。葉に毒があり、シカが嫌う植物。「繁殖地で造林木や広葉樹の苗木を育てるなど、活用できれば管理の負担を減らせる」と期待する。(2017/10/29 373news.com より)

 

 

【対策】稚内市、街中のエゾシカ捕獲に「吹き矢」作戦/北海道

北海道稚内市の市街地に出没するエゾシカに対し、市は31日から3日間、麻酔薬を仕込んだ「吹き矢」による捕獲をする。9年前に知床の羅臼町で実施した例があるが、街中に居つくエゾシカへの試みは異例。猟銃が使えない住宅地や公園での捕獲手法の一つとして注目される。市から捕獲の委託を受けたのは、野生動物の調査研究や被害対策で実績のあるNPO法人「EnVision環境保全事務所」。吹き矢はダーツゲームに使われる矢のような形で、市販の注射器を改造した。長さ91センチ、口径16ミリの金属製の筒を使い、約5メートルまで近づいて太ももを狙って矢を発射する。矢が刺さると注射器内の麻酔薬がガス圧で針から押し出され、筋肉に浸透していく。麻酔薬は1本2.7ミリグラムを予定。体重90キロのエゾシカだと15分ほどで麻酔が効いて動けなくなる量という。エゾシカが興奮していると効き目が弱いため、さらに1本用意する。吹き矢で驚き、住宅地や道路に飛び出さないよう、市職員や地元猟友会員が周りで見張ることにしている。(2017/10/30 朝日新聞 より)

 

 

【利用】エゾシカ、産業に生かせ 札幌でフェスタ 藤女子高生、革製品手作り/北海道

エゾシカと人間の共生をテーマにした「エゾシカフェスタin札幌」が29日、札幌市内のホテルで開かれた。約120人が訪れ、シカ肉料理の試食や養鹿(ようろく)専門家の講演を通して、シカの有効利用策を考えた。道消費者協会などの主催。北海道新聞社などの共催。ニュージーランドで養鹿事業を営む石川信雄さんが講演し、栄養豊富でヘルシーなエゾシカの肉質の魅力を紹介。「エゾシカという資源をもっと産業に活用すべきだ」と語り、自らの経験を踏まえ、道内での養鹿ビジネスの普及を提言した。授業でエゾシカの農業被害について学んだ藤女子高の2年生3人は、シカ革で手作りしたスマホケースや小銭入れを会場で披露した。(2017/10/30 北海道新聞 より)

 

 

【対策】群馬で来月から 自然保護協会 ニホンジカ:増える前に駆除 3頭以下が対象 全国初

日本自然保護協会(東京都)は、同協会などが保全に取り組む群馬県みなかみ町の「赤谷の森」(約1万ha)で、ニホンジカの増加予防を目的とした駆除を11月から始める。シカを低い密度で管理する手法を確立し、他の地域での応用を目指す。狩猟人口や積雪量の減少などを背景に、シカは生息域を広げ、全国各地で増えている。シカによる農作物の被害額は約65億円に上り、およそ7000ヘクタールの森林が被害を受けたとされる。被害が大きい地域などで駆除を進めた結果、15年度末には約304万頭と生息数は減少した。一方で、被害が顕在化する前の生息密度が低い段階での駆除は難しく、課題となっている。赤谷の森でも今のところ、シカによる大きな被害は確認されていない。しかし、生息数は増加傾向にある。そこで同協会は確認頻度が高い場所に、シカが好む塩を設置。集まってきたシカが3頭以下の場合は全頭を駆除し、一度に全てを駆除することが難しい4頭以上の場合は撃たない。駆除現場から逃げたシカは警戒心が強くなり、駆除が難しくなる習性を考慮するとともに、シカの生息数を適正に管理することを目指す。同協会によると、増えすぎたシカの駆除は全国で実施されているが、増加予防のためのプロジェクトは全国初という。東京農工大大学院の梶光一教授は「シカの被害の対応は後手に回ることが多く、対策には膨大なコストがかかる。シカを低い密度で維持できれば、生物多様性も守ることができる」と話している。(2017/10/30 北海道新聞 より)

 

 

【対策】近鉄、鹿の侵入防止システム「シカ踏切」でグッドデザイン賞を受賞

近畿日本鉄道(近鉄)が、2016年5月に近鉄大阪線・東青山駅(三重県津市)付近に導入した鹿の侵入防止システム「シカ踏切」が、グッドデザイン賞を受賞した。1日、都内で授賞式が行われた。シカ踏切は、近鉄が事業主体となり京三製作所、モハラテクニカと共同開発したもの。線路周辺に侵入防止ネットを張り、鹿が線路内に侵入するのを防ぎつつ、獣道に通じる一部区間だけは鹿が通れるようにしておく。通れるようにした場所に、鹿が嫌う超音波を発する装置を設置し、列車の運行時間内は、超音波を発信することで、鹿の通行を抑止する。列車の運転がない時間帯は、超音波の発信を止めることで、鹿は自由に線路を安全に横断できる。2017年3月には、大阪線・室生口大野駅付近(奈良県宇陀市)にも追加で導入している。鹿や猪が線路内に侵入し、電車と接触する事故が各地で多発しており、鉄道会社にとって深刻な問題となっている。JR西日本は、鹿などが嫌うオオカミの尿を使用した薬剤を線路付近に散布することで、動物が線路内に立ち入らないようにする対策を行っている。その一方、JR東海は衝突を前提に、山間部の区間で特急電車の先頭に緩衝装置を取り付けている。列車の損傷を防ぎ、運転再開までの時間を短縮することを目的としているが、抜本的な解決とはなっていない。鹿が線路に近づくのは、鉄分を補給するために線路をなめる習性もあるとされる。近年は、狩猟者の減少や、過疎化による里山の荒廃の影響で野生動物の行動範囲が拡大しており、接触事故はどの鉄道会社も急増傾向にある。シカ踏切の導入により、接触事故の件数は年間1、2件と激減している。今後、年間10件以上の接触事故が起きている地点へ、順次展開を検討するとしている。(2017/11/3 財経新聞 より)