全日本鹿協会 Japan Deer Society

鹿ニュース(2018年3月3日~3月16日)

【利用】ジビエ利用、北海道が最多 28年度、全国1,283トン

 農林水産省は野生鳥獣肉(ジビエ)の利用状況を初めて調査した。平成28年度に全国で利用された肉は1,283トンあり、都道府県では北海道が最多で、食用販売の種類別ではシカ肉がトップ。農作物の食害防止のため捕獲された鳥獣の多くが廃棄されており、政府は31年度に倍増させることを目標にしている。調査によると、全国の処理施設が食用に売った肉は8割弱の1,015トンであり、シカが665トン、イノシシが343トンと大半を占めた。都道府県別でみると、エゾシカの多い北海道が503トン、ぼたん鍋が有名な兵庫が117トン、鳥取が63トンと続いた。全国の処理施設が得た金額は30億3千万円である。(2018/3/3 SankeiBiz より)

 

 

【利用・対策】皮革製品、ペットフード 兵庫は丸ごと1頭活用策/兵庫

 2016年度の兵庫県内のシカの捕獲頭数は4万3,682頭。うち8.9%の3,884頭が処理加工施設に回された。しかし、実際はほとんどが消費用に生かされていないのが現状だ。こうした事態を受け、県は15年度から「シカ丸ごと1頭活用作戦」と題した施策を展開し、需要や供給が安定しない食用シカ肉だけに頼るのではなく、皮や骨、角などをペットフードや皮革製品に活用する手法を探っている。県は16年度の約2.5倍である「1万頭」を21年度の処理頭数目標値として掲げている。県内にある11の処理加工施設のうち、特に丹波や姫路の施設は2千頭規模の処理能力を誇る。こうした施設の稼働率を高めるため、シカを持ち込んだハンターに1頭2千円を支給するなどの支援策を実施している。

(2018/3/6 神戸新聞 新聞NEXT より)

 

 

【対策】道総研、エゾシカ捕獲へAI使う新型ワナ開発/北海道

 エゾシカを捕獲するため、北海道立総合研究機構(道総研)は新型の囲いワナを開発。人工知能(AI)を活用して捕獲しやすい場所を選定し、シカの嫌う電気柵を使ってワナに誘導。牧草の食害を抑制するとともに、ジビエへのシカの利用率向上をめざす。これまで野生のエゾシカを春から秋に捕獲する方法は銃による狩猟以外は確立されていなかった。山にエサが少ない冬は、小さい囲いワナで比較的容易にシカをおびき寄せることができるが、エサの多い春~秋はワナに寄り付かず、銃を警戒することを学び、主に夜間に活動する個体も増えている。新型の囲いワナの開発は18年度からの3カ年計画の中で実施。野生のシカにGPSを搭載した首輪を装着し、好きなエサ場などシカがよく利用する草地を特定、仕掛けた定点カメラの画像データをAIで分析して捕獲しやすい場所を選定する。より効果的な設置場所やワナの仕組みを探り、できるだけ汎用品を使ってコストを抑えることも目指す。3年間の研究で得られたノウハウはマニュアル化し、シカの食害に悩む地域に技術移転する。エゾシカの食害は深刻であり、道環境局によると、16年度の野生鳥獣による農林業被害額でシカによるものは全体の8割を占める39億円。そのうち牧草の被害額は半数超の20億円におよぶ。道内ではハンターも不足し狩猟によるエゾシカ捕獲数が減少する一方で、安定した品質の肉を得やすいワナ猟はジビエ需要を背景に流通業者の評価は高い。そこで、食害の防止とジビエ活用拡大の一挙両得を目指す。

(2018/3/9 日本経済新聞 より)

 

 

【対策】斜面でシカ滑った 竹で侵入防止対策/和歌山

 和歌山森林管理署(田辺市新庄町)は、のり面の緑化に管理が不要でシカの食害を受けにくい竹を敷き詰めた対策を考案し、放置竹林対策にもつながるとして、実用化を目指している。これは、シカのひづめが滑って侵入できない仕組みになっている。実地試験では、斜面の試験地を囲むように、半分に割った竹を敷き詰め、さらにシカの脚の幅も測定して改良を加え、竹の隙間を3センチ以下にすることで効果が上がることも判明。設置半年後には最大で2メートルほどの植物が育った。価格的には、450平方メートルで比べた場合、立体金網より16%安くでき、面積が増えればさらに安くなる計算。(2018/3/9 紀伊民報 より)

 

 

【対策】「エゾシカ注意」アプリ、全道で 三井住友海上/北海道

 三井住友海上火災保険はこれまでは根室市だけであったスマートフォンのアプリを使い自動車とエゾシカとの衝突事故を防止するサービスの提供エリアを全道に拡大する。道内での自動車事故の原因として多いシカとの衝突を未然に防ぎ、安全運転につなげるものである。同アプリを起動して運転していると、エゾシカとの衝突事故が多い地域に接近すると運転手に音声で注意を促し、加速や減速など運転能力も診断する。2016年6月から提供を始めた同アプリの利用は無料。他県ではヤンバルクイナや奈良のシカなどを対象に同様のサービスを展開。道内ではエゾシカが絡む交通事故が17年は前年比26%増の2,430件発生し、ここ5年間で最も多くなった。

(2018/3/12 日本経済新聞 より)

 

 

【利用】移住促進に ジビエ販売「上世屋獣肉店」が完成/京都・宮津

 京都府内有数の豪雪地帯として知られる宮津市上世屋に簡易獣肉解体施設「上世屋獣肉店」が完成。近くの野山で捕獲したシカやイノシシを解体処理し、ジビエ(狩猟肉)として販売し、冬場のなりわいづくりや収入確保につなげる。山あいにある上世屋では棚田で米作りなどが行われているが、冬季は2メートル近い雪に覆われ通年の農業に適さないため、出稼ぎする人も多く、地域の過疎化に拍車を掛けていた。小さな共同体を維持していくための方策を模索する中、住民有志でつくる「ドチャック会議」(上世屋定住促進協議会)代表で農家の小山愛生さんが趣味として続けていた狩猟から、ジビエの販売で生計を立てる手段とするため獣肉の解体施設を造ることにした。約35平方メートルの木造平屋建ての施設で、事業費は約650万円。府や市の補助金を活用。処理頭数が少なくても黒字化できるようコストを抑え、解体作業台や洗い場、冷蔵庫など最低限の設備で解体から加工まで行う。

(2018/3/13 京都新聞 より)

 

 

【利用】野生の味に舌鼓 大和でジビエ料理試食会/岐阜

 郡上産のシカとイノシシを使った「地美恵(じびえ)料理」の試食会が、郡上市大和町の総合結婚式場勝美屋で開かれ、市や商工会、猟友会関係者ら約50人が参加した。「鹿肉のロール白菜」「猪肉のシチュー」など計13点を並べ、出来たてを試食した。試食した人たちは、和、洋、中華のプロが手間をかけて仕上げた料理を食べ、「全くくせがなく、言われないと獣肉とは分からない」と驚いた様子を見せた。県内は農林業の獣害が目立つため、シカ、イノシシの駆除が各地で行われている。県によると、2016年度の捕獲数は有害鳥獣駆除や狩猟を合わせて計約2万3千頭に達している。

(2018/3/16 中日新聞 より)

 

 

【被害】注意、エゾシカの道路横断/北海道

 厚岸警察署管内でのエゾシカと車の衝突事故はピークが過ぎたものの、道路を横断するエゾシカの目撃情報は依然続いている。同署管内では今年2月末までの2カ月間に17件の衝突事故が発生しており、昨年同期と比較して3件増加した。国道44号の釧路―厚岸間での発生がほとんどであり、速度の出し過ぎにより、制動距離が足りず、衝突するケースが多い。(2018/3/18 釧路新聞 より)

 

 

【対策】有害鳥獣:遠隔操作、シカ初捕獲 監視カメラとわな使い 養父/兵庫

 12日夜、養父市と関西電力(大阪市)、ケイ・オプティコム(大阪市)による「有害鳥獣対策ソリューション」の一環で初の捕獲が行われた。捕獲されたシカは13日に殺処分され、養父市大屋町和田の食肉処理場に運ばれた。ソリューションはICT(情報通信技術)を活用したもので、監視カメラ映像を見ながら、パソコンやスマホなどの端末で鉄製わなのゲートを遠隔操作で落とし、シカを捕獲する。今回、12日午後7時55分ごろ、県猟友会養父支部八鹿班の勝地恒久さんが、自宅から遠隔操作でゲートを落とした。シカがわなに入ったタイミングで捕獲するシステムだが、食肉処理の需要などとの兼ね合いで見逃すこともできる。

(2018/3/17 毎日新聞 より)