全日本鹿協会 Japan Deer Society

鹿ニュース(2018年5月12日~5月25日)

【対策】共生の森 シカさん、食べるの待って 県が植林 柵で囲って住民見回り/兵庫

 人里に出没するシカやクマなど野生動物を山へ戻すことなどを目的として県が事業として行っているドングリ類などの広葉樹林の植林が、シカによる食害を受けている。2016年度までの11年間に整備した137カ所(318ha)のうち、2割で生育不良が判明。県は再植林事業を設け、地元住民もパトロールに奔走し、野生動物と共生する森を守ろうとしている。シカはスギ・ヒノキの植林に対しても、早くから被害を与えており、広葉樹でも食害が予想されたため、県は植林地を網柵で囲む費用を助成。森林所有者に適切な管理も求めた。しかし、台風や大雪によって柵が破損するなど、シカの侵入を防ぎきれないのが実情である。住民が懸命に守る森もあり、宍粟市の東河内生産森林組合では、針金を織り込んだ網柵(高さ1.2メートル)で植林地を囲み、内部にも細かい間仕切りを設置し、シカが侵入しても被害を最少面積に抑える工夫をしている。こうした取り組みを支えるため、県は昨年度、広葉樹を再植林する費用を全額助成する事業を設けた。

(2018/5/14 毎日新聞 より)

 

 

【利用】尼崎の水産会社が鹿肉ペットフード開発 ジビエ活用し愛犬を元気に/兵庫

 4月1日、尼崎の「一心水産」は兵庫県産ニホン鹿を使ったペットフードの販売を開始。同社は兵庫県の山間部で狩猟・捕獲されたニホン鹿の肉を使用し、「ナチュラルランド」シリーズを開発、現地で一次加工した肉を仕入れ、菌の繁殖を防ぐため丁寧に手作業で酸性水洗浄し、部位別にカットする。ジャーキーは8時間以上かけて乾燥加工し、生肉製品はマイナス60度で冷凍・エイジングを行う。一昨年に養父市の猟友会から相談を受けたのがきっかけとなり、兵庫県が狩猟肉の活用に本格的に乗り出したことで、仕入れルートが確実になり商品化が実現。国内各地で鹿の生息地が過密化し、森林生態系や周辺の農作物への被害が深刻化している。一方で、頭数調整のために捕獲された鹿の多くは活用されることなく地中に埋められるなどの処理がされている問題がある。県内では、鹿肉処理加工施設や飲食店などが協働しジビエ料理をPRする「ひょうごニホンジカ推進ネットワーク」や、関連企業の連合体「兵庫県シカ・イノシシ丸ごと1頭活用コンソーシアム」創設といった動きが広がっている。

(2018/5/15 尼崎経済新聞 より)

 

 

【対策】萩の里自然公園でエゾシカ対策学ぶ 北海学園大名誉教授・佐藤氏が講演/北海道

 16日、「シカと里山植物の保全」をテーマにした講演会を白老町の萩の里自然公園管理運営協議会が同公園センターハウスで行った。シラネアオイの群生地として知られる同公園では、昨年からエゾシカによる被害が増加しており、被害防止に向けた網を設置するなど、同協議会が取り組みを進めている。そこで、北海学園大学名誉教授の佐藤謙氏が、急増するエゾシカによる森林や植物被害の現状、対策などについて事例を交えながらアドバイスした。講演では、エゾシカの生息環境についての解説や、嗜好性の高い森林や高山植物が減少し、不嗜好植物などが増加している実態を解説。また、アポイ岳や根室半島などで取り組まれている対策事例を紹介し、防鹿柵の設置によって、シカを排除することで自然草原が戻り、在来種が増えるなど効果が現れている事例を取り上げた。植物保全に向け佐藤氏は、防鹿柵を設置した際には柵の内外に調査区を設けて出現種の植物高などを比較することなどのほか、簡単なモニタリングとして、毎年同様の季節に同じ地点から写真撮影を続け植生の変化を記録することなどをアドバイスした。

(2018/5/18 苫小牧民報 より)

 

 

【利用】皮なめし大幅効率化 西興部村が新工房 シカ皮加工へ脱毛機、ミシン、皮すき機導入/北海道

 西興部村は、有害駆除されたエゾシカの皮の有効活用するため、村中心部に「エゾシカ皮なめし工房」を新設。村内のNPO法人が取り組む皮の加工や製品販売を支援し、将来的には、革製品づくりを体験観光メニューに加え、地域活性化へ繋げたい考えである。NPO法人猟区管理協会は2016年から、シカ皮を加工して作った財布や名刺入れ等を村内の道の駅で販売。しかし、皮の脱毛やなめしなどは会員が手作業で行っており、生産量は年間15頭分に留まり品質にもばらつきがあったという。国の地方創生故拠点整備交付金を活用し、約1千万円かけて1月に着工し、3月に完成した新たな工房の広さは約30平方メートル。回転させながら皮の毛を抜く「ドラム式脱毛機」のほか、裁縫ミシンや皮の厚さを一定にする皮すき機も導入。同協会の手作業と比べ、生産能力や品質の大幅な向上が期待できるという。村内には既に射撃場や解体処理施設などがあり、村は今後、協会と協力しながら、観光客向けに革製品づくりの体験会を工房で開き、エゾシカの利活用サイクルを確立したい考えである。(2018/5/18 北海道新聞 より)

 

 

【利用】おいしい鹿肉料理伝授 上農高畜産班が講座/長野

 鹿肉を活用した地域振興プロジェクトに取り組む上伊那農業高校(南箕輪村)畜産班は19日、伊那市の新山集落センターで鹿肉公開講座を初めて開いた。新山地区の小学生親子においしい鹿肉料理の作り方を伝授した。大半が埋設処理される鹿の肉を地域資源として活用できないかと考え始まったこのプロジェクトは今年度で6年目となる。解体から精肉、加工までを手掛けられるようにして開発された鹿肉のジャーキーの「でぃあでぃあ」は、「親愛なる鹿」を意味する商品は現在、新山のパン屋や農家民宿でも販売。班員はこの日、参加した5組の親子に「でぃあでぃあ」で使う漬け込み液の作り方の解説や、部位の説明や筋の取り方を教えながら一緒に下ごしらえをし、新山産の鹿肉を用いたどんぶり、もやし炒め、クレープなどを作った。

(2018/5/20 Nagano Nippo Web より)

 

 

【対策】位山のイチイ、シカ食害防げ 保護団体設立へ/岐阜

 岐阜県高山市一之宮町の位山(1529メートル)にあるイチイの森をニホンジカの食害から守ろうと、地元の有志が発起人となり、保護活動に取り組む団体「位山イチイの森を守る会」を設立する。一部の生育地は市の天然記念物に指定されているが、10年ほど前からニホンジカに樹皮を食べられる被害が目立つ。発起人らは3月、一部で予備調査を実施し、40本ほどあったイチイのうち、約8割にニホンジカの食害が確認され、3本ほどは枯死していたことを確認。市一之宮支所によると、食害が目立つようになったのは10~15年ほど前からという。旧宮村(現高山市一之宮町)が高山市に合併した2005年から09年まで、同町で有害捕獲されたニホンジカは0~2頭だったが、10年に30頭と激増しており、最近は20~30頭で推移。同会は6月から本調査に入り、イチイの生育状況を確認し、幹や枝にナイロン製の網を巻いて食害を防ぐ。今後は、天然記念物の指定範囲を広げることや、笏や宮笠に使う材木を切り出す森として位置付けることも視野に入れる。その他にも、地域の代表的な山に関心を高めてもらうため、環境や歴史を学ぶ活動も検討する。

(2018/5/20 岐阜新聞web より)

 

 

【対策】エゾシカ協会設立20年シンポ 対策・活用考えよう/北海道

 20日、エゾシカ対策や有効活用などに取り組む「エゾシカ協会」(赤坂猛会長)の設立20周年を記念したシンポジウムが札幌市で開かれ、将来的な捕獲や管理手法、食肉としての流通のあり方などについて研究者らが意見を交わした。約20年前からエゾシカは急増し、当時数十万頭だった生息数(推定)が2010~11年度には68万頭に達した。捕獲が進み、16年度に45万頭まで減ったが、目標水準の30万頭には届いていない。しかし、生息数が減るほど捕獲は難しなり、また、目標水準に達しても、その生息数を維持するのは容易ではない。エゾシカの捕獲数は10年度以降、10万頭台で推移しているが、食肉としての流通は捕獲数のわずか2割。捕獲数が減れば、ジビエ料理として人気が高まっているエゾシカ肉の需要を満たすのは難しい。シンポでは、酪農学園大の伊吾田宏正准教授が、個体数管理を担う「プロ」の認証制度(シカ捕獲認証制度(DCC))がある英国を例に挙げ、『捕獲』と『利用』をつなぐ人材の育成が必要であると語った。生息数が目標水準に達した後について、道立総合研究機構の宇野裕之研究主幹は「捕獲目標は年6万頭になり、食肉への利用の割合を50%に高める必要がある」と述べた。

(2018/5/21 朝日新聞 より)

 

 

【目撃】白神山地でニホンジカ1頭確認 本年度初

 23日、青森、秋田両県にまたがる白神山地の世界遺産地域周辺で、ニホンジカ1頭が確認されたと東北地方環境事務所は発表。今年度初の確認。

(2018/5/24 河北新報 より)