全日本鹿協会 Japan Deer Society

鹿ニュース(2018年12月10日~12月25日)

【利用】栄養満点ジビエ料理 浜松で調理法など教室/静岡

 ジビエの価値を知ってもらう目的で、浜松市浜北区の商業施設で料理教室が開かれた。講師は日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士の中野恭子さん(43)で、栄養的特徴や食肉になるまでの工程を説明した。メニューであるシカ肉ハンバーグとイノシシ肉のカツレツを、20人の参加者が調理し、食した。参加者は「思ったより簡単にできたが、高価なことと手に入りにくいのが難点」と話した。

(2018.12.11 中日新聞 より)

 

 

【利用】イノシシやシカの先入観捨てて 淡路島ジビエ広めたい 和食店・鼓や「ぜひ口に」/兵庫

 淡路市多賀にある和食店「淡路島 鼓や」が、淡路島産のイノシシやシカを使った新石メニューの提供を始めた。店主の原田兼次さん(51)が提供を始めたのは、「淡路whiteぼたん鍋」(税別3,500円)と「淡路鹿ミラノ風カツレツ」(同900円)、両方が楽しめるセット(同2,500円)の3種類である。原田さんは平成10年に同店をオープンし、地元食材を使った料理を提供している。イノシシの被害について契約農家や常連客から話を聞いたのは2年前だが、当時は「硬くて獣臭が強そう」と敬遠していた。しかし、昨年春にイタリア留学中の長男(22)から、ジビエを食べてすごくおいしかったと写真付きのメールが届き、自分も島内で仕入れて鍋にしたところ、あまりに美味しく、ジビエの魅力にはまってしまった。今年の夏に狩猟免許を取得し、今後は島内でジビエを提供する店との連携を模索しながら、「淡路島ジビエ」として開発プロジェクトを立ち上げることを目標としている。

(2018.12.11 産経新聞 より)

 

 

【その他】獣害対策で地域活性化を 篠山で14日からフォーラム/兵庫

 12月14,15日の両日に、兵庫県篠山市黒岡の市民センターを中心に「第1回獣がいフォーラム」が開かれた。市や丹波農林振興事務所、篠山市猟友会などでつくる実行委員会が初めて開催し、野生動物を地域にとってプラスの存在と考える可能性を探ることが狙い。14日は、島根県三郷町の職員や長野県下伊那農業高校、篠山の食肉販売店「ゝみや」の大見春樹社長ら計6人が事例を報告した。また、実践例、資源活用、新たな担い手の3つのテーマで分科会も行われた。15日の午前中は、狩猟体験や獣害対策の現場視察、シカの解体とジビエ料理作りなどの体験が市内で催された。市民センター内では両日、狩猟シミュレーターの体験会や捕獲わななどの道具に触れるコーナーが設置された。

(2018.12.12 神戸新聞NEXT より)

 

 

【対策】列車衝突抑止へ実験 JR山田線、蜂の羽音や臭い使用/岩手

 JR山田線及び釜石線で列車とシカの衝突事故が多発している。山田線では本年度9月末までの衝突件数が108件となった(前年度比65件増)。JR東日本などは、民間企業と協力して、年内中に山田線での蜂の羽音や臭いを使った動物対策装置の実証実験を始める予定。装置は広島県福山市の養蜂業はなはな(清水秀幸社長)が開発したもので、線路脇に配音・配臭管を設置し、再現したスズメバチの羽音や体臭を約2m間隔で開けた穴から流すことで、シカなどの野生動物に蜂がいるように誤認させ近寄らせないようにするものである。実験は宮古市川井の山田線陸中川井駅周辺で実施する。年内に約500m区間に装置を設置し、来年3月まで稼働させて結果を得てから導入の可能性を探る予定。

(2018.12.13 岩手日報 より)

 

 

【利用】極上ジビエが自宅に!岡山県の地方創生プロジェクトがクラウドファンディングを開始

 獣害として捕獲されたイノシシやシカの命を料理してきちんと食べることで、「命をつなぐこと」をしていきたいという想いから生まれた岡山の地方創生プロジェクトが、クラウドファンディング「【岡山から全国へ】ジビエクイーンがお届けする、極上ジビエをご自宅で!」を開始した。クラウドファンディングを行っているのは、料理を通してジビエのすばらしさを伝える活動をしている中川妙子さん。ジビエは量産ができず、一般流通は難しいという一般的な認識に対し、誰でも手軽にジビエを食べることができるように加工品することができた。本場ドイツのソーセージコンテストで、金賞を受賞している福池匡洋さんが、ハム・ソーセージの加工を引き受け、今回全国へ届ける体制が整った。同プロジェクトの支援返礼品は、ボルドーのスペシャルワインをはじめ、ジビエソーセージなどである。

(2018.12.13 IGNITE より)

 

 

【利用】ジビエ手軽に“初体験” 需要創出へ

 獣害対策などで捕獲されたシカやイノシシの有効活用を図るため、外食業界団体の日本フードサービス協会が、「全国ジビエフェア」を来年2月10日まで開催。1千店以上が参加しており、ジビエを食べたことのない若者らに食してもらうことで新たな需要を生み出そうと、手軽なメニューを開発して提供している。ハンバーガーチェーンのロッテリア(東京都新宿区)は、大分・熊本県産の鹿肉を使った「鹿肉バーガー」(税込み720円)を、1月31日から全国138店で限定販売する。初めての人にも食べやすいよう、鹿肉100%ではなくパン粉や香辛料を加えたハンバーグタイプのパティとスパイスの効いたソースを採用している。すき焼きとしゃぶしゃぶの老舗である人形町今半(東京都中央区)は今月10日から「鹿肉コロッケ」(税込み140円)を、都内5店舗で各1日20個限定販売。甘みのあるたれで粗びきにした鹿肉を味付けすることで、食べやすくしている。アドバンス(滋賀県長浜市)は、フランチャイズ展開する「カレーハウスCoCo壱番屋」11店舗(滋賀県内)で、9年前に同社総務部長の川森慶子さんが開発した「近江日野産 天然鹿カレー」(税込み927円)を提供。鹿肉の需要が創出されたことで狩猟が活発化するなど、効果が表れているという。

(2018.12.14 産経新聞 より)

 

 

【対策】「早期のシカ対策を」 白神山地巡視員会議、出席者から要望/秋田

 秋田県八峰町八森の町文化交流センターファガスで14日、白神山地の本県側世界遺産地域巡視員会議が開かれた。出席者から国などに、ニホンジカによる被害の具体的な防止対策を早期に講じるよう求める声が上がった。11月に初めて本県側緩衝地域である藤里町の二ッ森登山道近くで雄1頭が確認されており、また、環境省東北地方環境事務所は青森県西目屋村でも6月に幼獣が1頭撮影されていることを報告し、「近くに繁殖地があると考えられるため、警戒している。」と説明した。

(2018.12.15 秋田魁新報社 より)

 

 

【利用】シカ肉缶詰の試食会 老舗イタリア料理店が開発/鳥取

 鳥取市弥生町の老舗イタリア料理店「イタリア館 ペペネーロ」が、鳥取の鹿肉のおいしさを手軽に味わえるように洋風缶詰を開発。14日に試食会が行われた。「ボキューズ・ドール国際料理コンクール」の日本代表会で課題食材に選ばれるほどの品質を誇る鳥取のシカ肉だが、捕獲されたシカはほとんど廃棄処分されている。そうした現状にもどかしさを感じた同店のオーナーである木下陽平さん(42)が、缶詰の商品化を試みた。9~10月にクラウドファンディングにより57万円が集まった。木下さんは「たくさんの人が応援してくれたので、より多くの人に味わってほしい」と話した。缶詰はトマトソース煮の「ポルペッティ」と赤ワイン煮の「ブラッサート」の2種類で、どちらも1,110円(税抜き)。店頭またはオンラインストア(http://pepenero-tottori.com/)で購入できる。

(2018.12.16 朝日新聞 より)

 

 

【その他】シカ数百頭密猟、男に刑務所で『バンビ』の鑑賞命令/アメリカ

 シカ数百頭を密猟した男に対し、米ミズーリ州の裁判所は収監中に米ウォルト・ディズニー・カンパニーの名作アニメ映画『バンビ』を月1回以上鑑賞するよう命じた。判決を受けたデイビッド・ベリー・ジュニア被告は、捜査当局が「史上最大級」と呼ぶ密猟捜査で逮捕され、裁判で禁錮1年の刑を科せられた。被告は過去3年間に渡りシカ数百頭を娯楽目的の狩猟で違法に殺しており、家族2人とともに逮捕されたことを13日に同州の自然保護当局が発表した。犯行は夜間を中心に頭部を目当てに行われており、胴体部分は置き去りにされていたと地元検察官は明かした。『バンビ』の中の、ハンターに殺された母シカに幼いバンビが寄り添うつらい光景は映画史に残る名シーンとなっている。上映はローレンス郡の刑務所で、保安官が上映する形で行われる。

(2018.12.18 AFPBB News より)

 

 

【対策】これシカない! 奈良公園に鹿と車の事故防ぐ柵/奈良

 奈良県は20日に、奈良市の奈良公園内にシカと車の衝突事故を防ぐため、シカが道路を横断しないよう柵を設置。約2カ月間の実証実験により、事故が減少するか等を検証。柵を設置したのは、シカの飛び出しによる事故が多発する4カ所の道路沿いで、木製の幅2m高さ80cmの柵を約80個設置した。周辺にある東大寺や春日大社の景観に配慮し、デザインは格子状のものを採用。県奈良公園室によると、シカと車の衝突により骨折するなどの事故が、年間100件以上発生しており、「鹿の飛び出し注意」と書かれた標識を立てるなどの取り組みに効果が少なかったことから、今回柵を立てることになった。

(2018.12.20 産経ニュース より)

 

 

【対策】胆振管内エゾシカ農林業被害額は6.8%減/北海道

 室蘭市海岸町の胆振総合振興局で20日、「胆振地域エゾシカ対策連絡協議会」の2018年度会合が開かれ、17年度のエゾシカによる被害状況や捕獲数の報告、道のエゾシカ捕獲推進プランに沿った対策方針の確認などが行われた。胆振管内自治体や農業・森林団体の担当者、猟友会関係者ら約40人が出席した。17年度の胆振管内のエゾシカ農林業被害額は2億400万円(前年度比6.8%減少)。管内11市町のうち、むかわ町が全体の57.8%だった。捕獲数は1万2,485頭で、目標数より1,585頭多かった。エゾシカが関係する交通事故は全道で2,430件(前年度比25.5%増)であり、胆振管内は374件(同29.9%増)と全道14総合振興局・振興局の中で2番目に多かった。16年度に同管内で食肉として処理されたのは525頭・1万3,356kg(前年度比94.4%増・3.5倍)となった。首都圏などでのPR活動による消費拡大や、管内での給食食材などに有効活用されたことが背景にある。しかし、15~16年度は全道各局管内で雌ジカの捕獲頭数が目標に届かなかったため、雌ジカの優先的捕獲等を推進するための本年度の同プランの概要も説明された。

(2018.12.21 室蘭民報 より)

 

 

【対策】わなで「鹿」捕獲しメール 実証実験を開始/長野

 長野県茅野市の公立諏訪東京理科大は、無線通信技術LPWA(ローパワーワイドエリア)を活用して新製品を開発する産学公連携スワリカブランド創造事業を受託している。同大は21日に、くくりわなの監視通報システムの実証実験を市内の山林で始めたことを記者会見で発表した。システムは、わなに掛かったシカの動きをセンサーが感知し、LPWAの送信機が発報した電波を茅野市役所屋上のアンテナが受信し、インターネットサーバーを経て登録したアドレスにわなのGPS座標をメール送信し、地図上にわなの位置を表示するものである。同大は試作装置20基を作成し、18、19日に市鳥獣被害地策実施隊(46人)の隊員5人が金沢、米沢地区の山林に全て設置。1週間余り設置し作動を確認する予定。この装置により捕獲の効率化を図り、高齢化する狩猟者の労力軽減につながることを目的としている。

(2018.12.22 長野日報 より)

 

 

【対策】苫東でエゾシカ捕獲開始。1頭仕留める 推定千頭が生息/北海道

 道内の工業団地では初めてとなる、特例でのエゾシカの猟銃捕獲を苫東で22日に実施した。狩猟方法は、苫東内の一部道路を封鎖し、ハンターが車上から銃で撃つ「モバイルカリング」。1週間前から牧草などで餌付けしたエゾシカを、鳥獣捕獲事業者「大新」(苫小牧)のハンター17人が車で約1.6kmに渡って移動しながら銃を撃ち、雌1頭を捕獲。胆振総合振興局によると、苫東はほぼ平地のため、今回は点在する段丘に向かって撃てる場所を狩猟地に選定した。今後も安全を徹底して捕獲を進めていく考え。

(2018.12.22 北海道新聞 より)