全日本鹿協会 Japan Deer Society

鹿ニュース(2016年7月25日~31日) 対策編

【対策】シカ夜間銃猟に初の指針策定へ 安全確保課題/北海道
道は、シカ猟の夜間銃猟解禁に向けて、課題となっている安全性確保のためのガイドラインを作成する方針を決めた。シカの捕獲数が増える中、シカが警戒心を強め昼間に捕獲しづらくなっており、夜間銃猟のニーズが高まっているためだ。国は夜間銃猟を昨年解禁したものの、危険を伴うため、道内ではまだ行われておらず、道が独自で2017年度中のガイドライン策定を目指す。(2016/7/25 北海道新聞 より)

 

【対策】【利用】ジビエで地域おこし!鳥獣被害対策も兼ねて一石二鳥
ジビエの活用は鳥獣被害対策としてだけでなく、地域おこしの一環として推進しようと一石二鳥・三鳥を狙う動きが加速している。
地域衰退が続く愛知県設楽町津具地区では若手が声をあげ、津具商工会を事務局に「奥三河つぐ高原グリーンツーリズム推進協議会」を2013年7月設立。景観整備、イベント開催に加えて、政府も利用促進を打ち出していた“ジビエの活用”に取り組み食肉処理施設を造った。「奥三河高原ジビエの森」と名付け事業を昨年4月スタートした。仕入れでは猟友会と連携し、トレーサビリティーが確保できる体制を構築。「いずれは年間500頭を処理、販売できる体制を構築したい。18年をめどにジビエの森を組合か株式会社として一本立ちさせる計画だ」と事務局は話す。同推進協議会ではイベント事業として「つぐ高原マルシェ『秋の収穫祭』」を展開するが、その一環として周辺3商工会の飲食・宿泊・小売り事業者を集め「ジビエ料理教室」を開いている。ジビエによる町おこしの期待も高まっている。

秩父はシカによる食害で「立ち枯れ現象」がおき、自然環境が保全できなくなり、加えて農作物被害も甚大。さらに事業所も、人口も減少の一途。そこで西秩父商工会は一石二鳥・三鳥を狙って鹿産業創出に向けて動きだした。まず、経済産業省の採択を得て「森の恵み“秩父の鹿”を活用したライダー(観光客)向けちちぶのじかプロジェクト」をスタート。食肉活用では鹿肉ココナツカリー、ローストベニスン、鹿肉ハンバーグなど、皮革活用ではウイスキーボトル・ネットなどの商品化に向けた調査研究事業を実施した。これにより、「一応、課題は解決できた。食肉はめどが立ちこれからが事業化に向け本格的なスタート段階」と事務局長は話す。15年9月には「秩父天然鹿の味噌漬け丼」を商品化し提供を開始。また、ロースト用の肉として都内、横浜、川崎、さいたまのフレンチレストランへ供給も開始した。さらに皮革での利活用も含めて事業全体のブラッシュアップを進めるため農水省の交付金を得て本年度からの2カ年事業にも取り組む計画。

ちょっと変わった“ジビエプロジェクト”を展開しているのが、小松商工会議所(石川県)の「こまつ地美絵」実行委員会。同商工会議所は小松市の活性化のため経済産業省の地域力活用新事業∞全国展開プロジェクトに応募。11年、調査研究事業として食のイベントと九谷焼のコラボレーションを試みた。
小松文化を代表する「茶道」とモノづくりの「九谷焼」、自然の恵み「ジビエ(イノシシ)」を組み合わせた新たな食イベント「小松食の祭典」を実現しようと「こまつ地美絵プロジェクト」を2年間の本体事業として取り組んだ。14年度には県の補助金を得て、九谷焼の酒器や、ジビエに合う日本酒の開発にも着手。さらに本年度はジビエなどの流通経路の安定化や洋食にあう九谷焼皿の開発などを進める。13年度試行、14年度から始めた「食の祭典」は参加店が拡大し、ジビエ勉強会も回を重ねて「小松の交流人口を拡大、元気にするためにも成功させたい」と同商工会議所は意気込む。

こういった地域の取り組みに対し、内閣府が地方創生推進交付金を支出、経産省も地域力活用新事業∞全国展開プロジェクトなどで支援、環境省も都道府県によるシカ、イノシシの捕獲の取り組みなどを支援している。(2016/7/25 日刊工業新聞 より)

 

【対策】登山講習会や環境問題討論 長野県原村でフェスタ
県は24日、諏訪郡原村の八ケ岳自然文化園で「信州山の日フェスタin原村」を開いた。キャンプ用品といった山に関わる商品の屋台や登山講習会などがあったほか、山の環境問題を考える講演会やパネル討論も開かれた。障害者の就労や自立を支援する諏訪市の多機能型事業所「あかね舎」は、シカの皮などで作った小物を販売。会場では「八ケ岳山の日サミット」と題したイベントも開催され、県職員や山小屋経営者らが、ライチョウやトノサマガエルといった動物が減っていることや、シカの食害の現状などを報告した。(2016/7/25 信州山小屋ネット より)

 

【対策】イノシシの解体体験 命を頂く大切さ学ぶ/鳥取
鳥獣害対策の一環で「イノシシ解体処理者育成講習会」が鳥取県内でも開かれ、大学生や社会人約20人が受講した。以下、参加した鳥取環境大学の学生がリポート。
私の故郷(大阪府茨木市)でも数年前に集落でまとめて電気柵を設置するまでイノシシの被害が多かった。狩猟免許(罠猟)を取得して地域に貢献できればと考え、今回の講習会に申し込んだ。「いなばのジビエ推進協議会」の方からの、鳥獣は農林産物を食べるだけではなく、育てている人の気力までも食べてしまうという話に、大いに共感した。講義の後、私もナイフを握りイノシシを解体した。焼き肉で試食すると、塩コショウを振っただけでもおいしかった。血抜きがきちんとできれば、濃い味付けや臭み消しをしなくても問題なく食べられるなど、解体のベテランの方の話は参考になることばかりだった。
害獣駆除された動物の命を無駄にせず、できる限り責任を持って頂くことの大切さも学び、普段何気なく言っている「いただきます」の意味を初めて実感した。狩猟免許を取得したら、在学中から猟を始め、解体して家族やご近所さんと分け合いたい。更に上のレベルの狩猟免許取得者向け解体研修会もあるので、今後参加することを目指して頑張りたい。(2016/7/28 毎日新聞 より)