全日本鹿協会 Japan Deer Society

鹿ニュース(2019年2月26日~3月9日)

【対策】撃退率は9割超、新たな獣害対策/山梨

山梨県総合農業技術センターの各部署が野生動物による被害対策など、研究成果を発表し、新たな鳥獣害対策を報告した。このうち、動物が侵入しやすい畑の出入口などの対策では、10センチ間隔で鉄板を地面に斜め設置する方法が発表された。この方法だと、車や人は鉄板の上を渡れるが、動物は蹄が滑るためイノシシは98%、シカ97%が撃退できたという実験結果が報告された。この技術は大がかりな工事は必要なく、低コストで済むことも特徴。(2019/2/26  UTYテレビ山梨より)

 

 

【対策】猟師の負担、アプリで軽減/兵庫

 シカの捕獲から食肉加工、出荷までの経路をたどるトレーサビリティーを管理できる新システムを、兵庫県養父市の「宝塚ジビエ工房」が開発した。捕れた場所や捕獲方法、個体番号などを、スマートフォンなどで登録し、QRコードで読み取れるようにした。狩猟者が捕獲場所で、スマホなどを使って写真撮影すれば、日時や場所が自動的に登録される。ほかにも肉の加工施設で、部位ごとの重さやランク、熟成期間などを入力する。出荷先の飲食店も閲覧することができ、食肉に問題があれば流通現場から生産者を逆追跡もできる。これまで書類にまとめていた情報がスマホで簡単に見られ、狩猟者や食肉加工業者の業務も効率化できる。すでに京都府京丹波町の施設で試験運用が始まり、ほかにも問い合わせがあるという。(2019/2/27 神戸新聞NEXTより)

 

 

【対策】ニホンジカ目撃相次ぐ 水戸で林業者向け集会

八溝山山頂で雄のシカが確認されたことを受け、林業者向けの集会が2月26日、県民文化センターで開かれた。専門家は「県内に雌が入り、子どもを産んで増え始めるのは時間の問題だ」と危機感を示し、目撃情報の共有で早期に対策を練る必要性を訴えた。集会は茨城森林管理署と県、県林業協会が共催。林業の関係団体などから約80人が参加した。同署の菊池毅地域林政調整官は現状報告をし、その上で本年度から栃木、福島両県との県境にセンサーカメラを設置したことを明かした。さらに河川敷にも目を配る必要があると呼び掛けた。岩手県を例に雄が入ってきてから10年弱くらいで生息地となるとし、定着阻止には目撃情報の共有化が先決として、情報共有サイトなどの取り組みを紹介した。(2019/2/27 茨城新聞より)

 

 

【利用】鹿肉おいしく、料理人腕比べ 諏訪でコンテスト/長野

県諏訪地域振興局は2月26日、ジビエの消費拡大を目的に、鹿肉を使った初の料理コンテストを諏訪市で開いた。料理店やホテルなど16業者が、同地方の加工施設が処理した肉を使った料理を出品。下諏訪町の和食店「二十四節氣神楽」の武居さんが考案した「鹿肉の七福味噌漬け」が最優秀賞に選ばれた。肉団子やカルパッチョ、鹿丼などバラエティーに富んだ料理が並び、日本ジビエ振興協会の藤木代表理事ら2人が試食。肉の風味を生かしているか、加熱方法は適切かなど5項目で評価した。同振興局は、コンテスト参加者の店の情報やレシピを冊子にまとめ、観光案内所などで配る予定。(2019/2/27 信毎webより)

 

 

【その他】「鹿角細工」の古都奈良かんざし美術館オープン

江戸時代から現代までのかんざしを集めた「古都奈良かんざし美術館」が3月1日、奈良市に開館する。かんざし収集家の喜多浩子館長が自宅ビルの1階を改装。奈良の鹿の角を使った「大和神鹿かんざし」をはじめ、貴重なコレクションの一部が展示される。大和神鹿かんざしは、約50年前に京都の骨董市で購入。幕末から明治時代初期の品とみられ、魔よけとして流行したどくろ型や「春日の宮」と書かれた柄杓型などのかんざし約120点が木箱に納められていた。鹿角細工は安産のお守りとして人気があったという。古美術商は「鹿角細工のかんざしがこれだけ数がそろうのは珍しい」という。このほか、喜多館長は「奈良で作られた鹿細工の伝統を多くの人に知ってもらいたい」としている。(2019/2/27 奈良新聞より)

 

 

【その他】山岳地帯にたたずむ「華南梅花鹿」/中国

絶滅危惧種に指定されている華南梅花鹿(華南亜種の二ホンジカ)が近ごろ、中国・浙江省臨安市清凉峰国家級自然保護区に姿を見せた。同地域の野生の鹿の群れは、最も少ない時期で1990年代初頭の約80頭から、現在は約300頭に増えている。今回、鹿が群れを成して人間の視野に入ってきたのは、20年間行ってきた保護の成果。清凉峰国家級自然保護区の管理局が1999年に設立され、先任の職員が定期的に巡回し、区内の山岳地帯に保護センター3か所と生態・繁殖基地を設置するとともに、鹿の繁殖研究を行ってきた。「ここの鹿は300頭を超えたが、種として生存可能とされる最低基準の500頭にはまだほど遠い。旅行好きの方や動物が好きな方々には、鹿が静かな生活を送れるよう理解してほしい」とのこと。(2019/2/27 CNSより)

 

 

【対策】狩猟獣搬出もっと楽に 試作品チェック 自民対策合同会議

 自民党が2月26日開いた鳥獣被害対策合同会議で、鳥獣を捕獲した場所から運び出す機器の試作品「ジビエストレッチャー」が披露され、出席議員が使い勝手をチェックした。ストレッチャーの試作品は長野トヨタ自動車が用意。ワイヤと電動ウインチを備える。鳥獣を載せた状態でワイヤは車両や木などにくくり付け、ウインチで巻き上げてストレッチャーを引っ張り、移動させる。出席議員らは車体が13キロあるため、軽量化を課題に挙げた。同社は10キロ未満に軽量化し、折り畳んで運べるよう改良する考えを示した。(2019/2/27 日本農業新聞より)

 

 

 

【その他】「交通事故」多発!「天然記念物殺しちゃった」届けず逃げると罰金

   奈良公園の鹿が車にひき逃げされる事故が多発している。問題は事故を起こしたドライバーの対応で、怪我をした鹿をそのまま置き去りにしてしまうケースが後を絶たない。県奈良公園室は「国の天然記念物なので、鹿を轢いてしまうと、特別の罰則があるのではないかと心配して通報しないケースが多い」と話す。実際は、天然記念物だからといって、故意でなければ罪に問われない。しかし、事故を起こして通報をしないと、鹿の死骸などで別の事故を誘発しかねないため、道路交通法の事故不申告で罰せられる。(2019/2/28 とくだね!より)

 

 

【被害】小樽の市街地にシカ 市「見つけたら通報を」

小樽市の市街地に27日朝、エゾシカ3頭が出没した。小樽署や市、市消防本部、北海道猟友会小樽支部が追い込み2頭は山に戻ったが、1頭の行方が分かっていない。現場は国道から十数メートルで工場や商店も近く、一時騒然となった。市は「見つけたら近づかず通報を」と呼び掛ける。同日午前8時20分ごろ、男性から「シカ3頭がいる」と110番が入った。市によると3頭は体長90~120センチで「親とはぐれた子どもでは」とみる。(2019/2/28/ 北海道新聞より)

 

 

【対策】シカ捕獲制限撤廃へ 福島県、農業被害急増受け

ニホンジカによる被害の急増を受け、県は2019年度から捕獲制限の撤廃など対策強化に乗り出す。県によると、農業被害の金額は16年度から17年度には倍増した。県は24年度までに生息頭数を1000頭に減らす管理計画を作成。年間の捕獲目標を、狩猟と県や地元自治体による捕獲で計850頭としている。17年度は目標を上回る870頭を捕獲したものの、高齢化に伴う狩猟者数の減少などで今後の目標達成は難しいとみられる。このため管理計画を4月1日から改定し、1狩猟者当たり「1日1頭」としていた雄の捕獲頭数の制限を撤廃し、雌と同様に「制限なし」とする。また、生息頭数を管理する地域ごとのエリアに郡山市と須賀川市を追加し、計20市町村に細分化して管理の徹底を図る。(2019/2/28 読売新聞より)

 

 

【対策】国立公園保護でタッグ 環境省と尾瀬高 全国初の連携協定

 尾瀬国立公園の環境保護などに協力して取り組もうと、群馬県立尾瀬高と環境省関東地方環境事務所は2月27日、連携協定を締結した。同省が高校と連携協定を結ぶのは全国初。同校が実施している環境調査や自然保護活動を同省が支援し、尾瀬をはじめとする国立公園の保護管理と環境教育の推進につなげる。同省は同校で、公園の管理・運営に携わる自然保護官による出前授業を開き、環境分野の専門的な知識を教えるほか、技術面で環境調査を支える。生徒の研究や調査の結果を公園管理に活用するとともに、両者で協力してシカよけの柵の設置や尾瀬ケ原の保護活動などを進める。同校は尾瀬におけるシカの食害や野鳥の生態といった環境調査、日光国立公園のシラネアオイ群落の復元活動などに取り組んでいる。(2019/2/28 上毛新聞より)

 

 

【対策】村の特産守れ、害獣対策一丸/宮崎

「森と共生する林業立村のむらづくり」を進める宮崎県諸塚村では近年、村の特産品のスギやシイタケが野生動物に荒らされて問題になっている。村はイノシシやシカを有害鳥獣に指定して捕獲を許可している。村には猟師65人がおり、うち40人は農林業と兼務。狩猟は生活の糧を守る意味合いが強い。狩猟による数の減少に取り組むだけでなく、そのほかの対策も進めている。植林後のスギ若木や林の中のシイタケ栽培場を守る侵入防止柵の設置といったものだ。さらに計画では被害防止策を示すだけでなく、捕獲した動物を食肉として活用を図ることも記している。(2019/3/1 朝日新聞より)

 

 

【利用】「鹿ーリングバーガー」 オホーツクビアファクトリー

オホーツク産のシカ肉を使い、北見北斗高定時制の生徒が考案したハンバーガーが3月1日、北見市のオホーツクビアファクトリーで発売される。その名も「鹿(カ)ーリングバーガー」。開発したのは定時制のビジネス情報部に所属する生徒5人。地元食品の認証制度「オホーツクブランド」の対象品目となるシカ肉を食材に選び、バンズをストーンの形にすることで、北見らしさを表現。オホーツクビアファクトリーの対馬幸治料理長の指導を受けながら、30回以上の試作を繰り返して完成させた。2月25日には同店で試食会が開かれ、生徒3人が感想を話し合った。販売期間は4月末までの2カ月間の予定だが、好評であれば延長する。(2019/3/1 北海道新聞より)

 

 

【利用】駆除したシカ、ライオンの餌に/福岡

 駆除されたシカやイノシシの肉を、動物園のライオンなどに与える取り組みを、福岡県の大牟田市動物園と九州大などが進めている。捨てられる肉を有効活用するとともに動物の飼育環境を改善し、来園者にはより野生に近い姿を見せることが狙いだ。国内の動物園で実施している例は少なく、今月には取り組みを紹介するシンポジウムも企画されている。市動物園では2017年夏から不定期に実施。九州大などのグループが糸島市で採れたイノシシや屋久島のヤクシカを用意。これまでに10回ほどイベントを開催してきた。皮や骨が残る肉を与えると、明らかに興奮するとのこと。当初は食べ方がわからない様子だったが、ワラの中に肉を隠すなど普段は見られない行動も観察されているという。市動物園では「人間が食べてもいいレベルの処理をしている」と話す。欧米の動物園では家畜の肉をほぼそのまま与え、動物のストレスを軽減しようという「環境エンリッチメント」という取り組みがある。イベントでは有害鳥獣をえさにすることや「環境エンリッチメント」の意義を来園者に説明したうえで、動物の様子を見てもらう。アンケートでは「残酷とは思わない」という回答が9割を占める。(2019/3/1 朝日新聞より)

 

 

【利用】西播産シカ肉料理の試食会 欧風料理の店主が企画/兵庫

 西播磨のシカ肉を使った料理の試食会「森の恵みをいただく」が2月28日夜、兵庫県上郡町の欧風家庭料理「FUKUTEI」で開かれた。播磨科学公園都市の関係者や県職員など約50人が参加し多彩なシカ肉料理を堪能した。店主の福本さんがシカ肉のおいしさを地元の人にもっと知ってもらおうと、初めて企画。低温調理や塩こうじの活用、肉の切り方などを記したメモも配り、シカ肉の調理法も紹介した。(2019/3/1 神戸新聞NEXTより)

 

 

【被害】シカの害、無いはずが…奈良で「ゆずの里」目指す過疎の村

人口減少率が全国でワースト5位にランクされる奈良県東吉野村。この過疎の村が7年前、起死回生の一手として打ち出したのがユズの栽培だ。寒さに強いユズは育てやすく、シカの食害を受けにくい農作物として知られる。ところがシカに葉を食べられるケースが相次ぎ、収穫量は当初の見込みを大幅に下回った。近畿大農学部の沢畠拓夫准教授は「シカの生息密度が上がった結果、昔は被害を受けていなかった農作物が食害に遭うようになっている」と指摘する。エサにありつけなくなると、嫌いなものでも我慢して食べるという。「シカは空腹の状態だと枯れ葉や毒草すら食べてしまう。反芻動物で、植物であればほぼ何でも食べるシカだからこそ起きる問題」と話す。村はさっそく対策に乗り出し、農作物用の防護柵の補助を拡大。これを活用し柵を設置したところ、食害はぴたりとやんだという。(2019/3/4 SankeiBizより)

 

 

【被害】入りたいけど入れない これはシカたない!

 厳島神社のある広島・宮島のシカ。そんなシカがいつも入店したがる飲食店が参道近くにあると話題になっています。「店主とシカが自動ドアを挟んで対峙していた」という目撃情報も。創業80年を超えるという件のお店「フクヤ食堂」。野良ジカと呼ばれる嫌われ者の鹿との攻防は毎日。餌やりは禁止とされているので観光客のゴミなどを食べてしまうのを防ごうと、店で出た野菜のくずなどを与えていたところ覚えてしまい、毎日10頭くらいが来店するという。自動ドアだと入店されてしまうため、手でボタンを押すタイプに切り替えた。頭は突っ込むが、入っては来ないとのこと。(2019/3/5 デイリースポーツオンラインより)

 

 

【その他】大分県が「ジビエスタンプラリー」応募条件緩和

 大分ジビエ振興協議会は3月15日まで実施している「ジビエスタンプラリー」の応募条件を「スタンプ3つ」から「1つから」に引き下げた。3月4日現在、当選数218本に対して応募数15件という現状に対する緊急措置。スタンプラリーはジビエ料理の浸透を図る目的で2月9日から実施。応募は参加20店のうち3店でジビエ料理を食べ、専用はがきにスタンプを押してもらい、3つためて切手を貼って郵送する形を取っていた。期間中はコマーシャルなどを通してスタンプラリーをPR。2月に開いたイベントでもスタンプ1つを押した応募はがきを配布するなどしてきたが、反応は極めて希薄。事務局担当者は「イベントも大いに盛り上がり、県民のジビエに対する興味の高さを肌で感じただけに信じられない思い」と困惑。ラリー参加者からは「自宅から遠い店が多い」「日曜に営業していない」「夜だけの営業の店もある」などの声も多く寄せられていたという。(2019/3/5 大分経済新聞より)

 

 

【利用】創作ジビエ料理いかが 延岡産PRへ5店舗連携

 延岡産のジビエを活用しようと、延岡市内の料理店5店舗が連携して独自メニューを開発した。イノシシやシカ肉を地元野菜と一緒に調理し、ジビエ料理の発信を目指す。「のべおかジビエフェア」と銘打ち、各店舗で3月31日まで取り扱う。(2019/3/5 宮崎日日新聞より)

 

 

【利用】管内エゾシカ肉知名度向上へ ブランド名「根室ディア」

根室産エゾシカ肉の知名度向上を目指す「根室管内エゾシカ地域ブランド化協議会」は3月4日、根室市内で会合を開き、ブランド名を「根室ディア」に決めた。ブランド化は根室振興局の独自事業。管内のエゾシカの肉は良質とされ、ブランド化によってシカ肉の知名度向上と消費拡大を図る狙い。自治体や加工業者、飲食店などで構成する協議会は、レストランでのシカ肉を活用した共通メニューの提供などを目指し、昨年8月から会合を重ねてきた。根室ディアを名乗れる条件は《1》根室管内で捕獲されたエゾシカ《2》道の認証施設で加工《3》捕獲から加工施設への搬入時間は2時間以内《4》捕獲方法は銃猟か、囲いわな―とした。(2019/3/5 北海道新聞より)

 

 

【対策】県猟友会員を雇用へ 秦野市、農家負担軽減図る/神奈川

秦野市は2019年度、市内で活動する県猟友会西秦野支部、県猟友会秦野支部の猟友会員を非常勤職員として雇用し、殺処分後の埋める作業などが負担になっている農家のサポートなどに取り組む。雇用する人数は60人以内とし、19年度当初予算案に人件費など675万円を盛り込んだ。これまでも捕獲した動物の殺処分については猟友会員に依頼していたが、委嘱により処分の迅速化が図られるとしている。鳥獣被害が多い土地では銃器による駆除にもあたってもらう。(2019/3/5 神奈川新聞より)

 

 

【被害】唯一の「シカ空白県」で目撃情報/茨城

大正時代を最後に茨城県内では絶滅したとされるニホンジカの目撃情報が相次いでいる。ニホンジカの雄の姿が昨年11月下旬、大子町の最北にある八溝山付近の国有林で撮影された。国内で唯一の非生息地域のため、対策のノウハウは乏しく、関係者の間で懸念が広がっている。撮影したのは県内の国有林を管轄する茨城森林管理署で、センサーカメラで撮影した。シカが移動してきた可能性が高いとされているのが、大子町と県境を接する栃木県だ。栃木県西部では80年代から生息数が増え、最近は県東部にまで広がっている。隣接する福島県南部もニホンジカの空白地域だったが、昨年から複数回、目撃や撮影をされており、県境を越えて来ているとみられている。懸念されるのは、八溝山山頂付近の生態系の保全だ。経済的損失の問題もある。県の木材の収穫量は全国1位が続くが、シカの食害により木材価値が下がり、苗も食べられてしまう。これまでに撮影されたのは雄のみで、まだ食害も確認はされていない。県も早期の対策に動く。県境をまたいで移動するシカに対応するため、新年度に福島、栃木の両県と生息調査を行い、GPSを活用した移動ルートの解明などに取り組む。目撃情報収集のため2年前から「シカ情報マップ」というHPで、投稿も募っている。(2019/3/6朝日新聞より)

 

 

【対策】北海道地震半年 営農再開いつに 復旧追い付かず

北海道地震の発生から3月6日で半年。土砂崩れが多発した北海道厚真町では復旧工事が始まったが、農地には依然として土砂やがれきが残る。被害は広範囲で、復旧作業が依然として追い付かない。町全体の課題として鳥獣被害対策がある。同町では全長300キロの鹿柵が張られていたが、土砂崩れで倒壊するなどし、45キロほどを新設する必要がある。緊急的に漁網状のネットを設置するが、資材が届くのは4月。5月には、テンサイや水稲の植え付けが始まるため短期間で設置しなければならない。人手不足は深刻で、ボランティアを募る計画だ。(2019/3/6 YAHOO!ニュースより)

 

 

【被害】和歌山の山林、30頭のシカ死骸 不法投棄の疑いで捜査

 和歌山県田辺市の山林で約30頭のシカの死骸が見つかったことが6日、新宮署への取材で分かった。同署は廃棄物処理法違反(不法投棄)の疑いで捜査を進める。同署によると、発見されたのは田辺市本宮町の山林の崖下で、白骨化している死骸もあった。崖は高さ約100メートルあり、何者かが崖の上の道路から死骸を捨てたとみて調べる。2月18日に同町の住民から情報提供があった。(2019/3/6 沖縄タイムスより)

 

 

【対策】防護柵で誘導しシカ捕獲 和歌山県が技術開発

和歌山県林業試験場は、スギ・ヒノキの植栽地の防護柵を活用したシカの誘導捕獲技術を開発した。5カ所の植栽地の防護柵沿いにそれぞれ自動撮影カメラを5台設置して検証。干し草を固めたヘイキューブで餌付けをし、くくりわなを使った40日の捕獲試験で13匹を捕まえた。捕獲したシカを運び出すのに手間がかかるため、わなの設置場所には注意が必要という。狩猟初心者にも分かりやすいように、捕獲方法のマニュアルを作ってホームページに掲載、希望者には配布している。(2019/3/6 紀伊民報より)

 

 

【利用】郡上産ジビエ試食会に9団体 豚コレラ風評被害を払拭へ

 郡上産のシカとイノシシを使った「地美恵料理」の試食会が三月六日、郡上市の料理旅館清竜で開かれた。獣肉を扱う業者は豚コレラの風評被害を受けているが、郡上のイノシシ肉は東京都内で二月に開かれた全国コンテスト「日本猪祭り」でグランプリを獲得した。試食会には市内の飲食店など九団体が参加。「ロースト鹿にぎり」「猪鍋」「鹿の信田巻き」など計十一点を並べ、市や商工会、猟友会関係者ら四十人に味わってもらった。地元で獣肉処理施設を運営する郡上地美恵は、郷土料理「鶏ちゃん」のようにみそ、しょうゆで味付けした「猪鹿ちゃん」を発表。脂が乗ったイノシシとシカ肉の絶妙なバランスが人気を呼んだ。(2019/3/7 中日新聞より)

 

 

【対策】兵庫・猪名川町、放置林対策に本腰

 山林が面積の8割を占める猪名川町が、放置林の改善に取り組んでいる。里山の放置林化で野生動物の餌となる果実などが育たず、餌を求めるイノシシやシカなどによる農作物被害が急増しているからだ。町は平成23年、「町里山再生基本構想」を策定。打開策として放置林の間伐材を燃料にしたペレットストーブを町内の小学校や福祉会館など公共施設に導入し、町民が自宅にストーブを設置する場合は最大10万円を補助することにした。また、29年にはペレットの製造所を町内に新設。町役場の暖房もペレットストーブに切り替えた。放置林を

手入れし、里山の再生に努めている。(2019/3/7 産経新聞より)

 

 

【その他】頼りになるイノシシ・シカの専門書

「猟師が教えるシカ・イノシシ利用大全 著者:田中康弘」本書には狩猟方法や、ジビエ料理が家庭で楽しめるレシピ、さらに角や牙を使った雑貨の作り方などが、写真家でもある著者の鮮やかな写真とともに丁寧に紹介されている。まだまだ専門書の少ないこのジャンルにおいて、専門家によるアドバイスが満載の本書は、役に立つというよりも「頼りになる」という言葉がふさわしい。ページをめくってまず驚かされるのは、レシピのバラエティだ。イノシシの骨鍋など、肉だけではない。本書では狩猟した後の売り方、つまり狩猟をビジネスとして成立させるための方法も事例とともに紹介されている。現在のブームを一過性のもので終わせないためにも、本書が多くの人々の目に触れることを期待したい。(2019/3/8 西日本新聞より)

 

 

【その他】書籍紹介

 「ジビエミステリ」と銘打った本『みかんとひよどり』。著者は近藤史恵さん。主人公の潮田亮二はジビエ料理も出すフレンチレストランのシェフ。たまたま出したヤマシギのローストを食べた澤山に認められ、継続的に好きなジビエ料理を提供する条件で店を任せられる。売っている素材だけでは満足できず狩猟免許をとり猟犬とともに冬の山に入る。そこで鹿や猪を見事にさばく猟師の大高と出会い、潮田はジビエを売ってくれ、と頼み込む。面倒を嫌がる大高だったが、野鳥なら売っていいと潮田に約束する。ヒヨドリや野鴨で冷蔵庫はいっぱいになり、お客も増え始める。そんな矢先、フランスの料理学校で劣等生だった風野が店に現れる。この後、大高の周辺で不審なことが相次ぎ、ミステリの様相を呈する。しかし、さまざまなジビエ料理が登場、おいしそうな肉のにおいとソースのかおりが作中にただようので、読者はそれどころではないかもしれない。ジビエに関心のある人なら、楽しく読むことができるだろう。(2019/3/8 BOOKウォッチより)